育児書ってたくさんあるけど、どれを選んでよいのかわからない。
そんな悩みをもつお母さんへおすすめしたい本があります。
現在、私は小3の男の子を持つ母ですが、何度も読んだ育児書はこの一冊だけ。
子どもが生まれる前から、そして今読み返してもこの育児書の内容には共感するところがたくさんあります。
乳幼児期、幼児期、そして今の児童期の、事あるたびにこの本の中を読むと、育児に対する不安がものすごく減り、気持ちがとても楽になります。
親としての在り方の方向性を示してくれた気がします。
1人でも多くの人に読んでもらいたいなぁと思います。そしてこれから来る思春期にもまた読み返すであろう一冊です。
「子どもへのまなざし」は、子どもと一緒に成長する本
子どもへのまなざし 著者:佐々木 正美
児童精神科医である佐々木正美さんが臨床に携わった経験をまとめた育児書です。
保育園、幼稚園、学校、児童相談所、養護施設などのいろいろな場所で、さまざまな親子との出会いを通して感じたこと、子供たちを豊かに健やかに育てるには、ということを佐々木さん自身の体験を通して語られている本です。
初版は1998年、もう何十年も読まれ続けていて、今なお人気の育児書です。
本文は300ページを超えています。
ページ数を聞いて、長いなーと思われるかもしれません。
でも読んでみると、不思議とすらすら読み進められる内容なのです。
きっと、子どもをどう育てていくか!という気合の入った内容ではなく
日常生活に流れているのと同じ早さを、文章から感じ取れるからなのだと思います。
親と子どもという上下関係ではなく、まるい円の中に家族みんなが入っている感じ。
あくまでも、「子どもの成長のスピードと共に親も育っていく」なんですね。
考えてみたら当たり前ですよね。
子どもが生まれるのと同時に、親としての自分も生まれるのですから。
「子どもへのまなざし」の内容から心に残っている言葉を抜粋
本当はもっとあるんですけどね。
本の雰囲気が少しでも伝われば、嬉しいです。
ですから、じっさいの育児は育児書に書いてあるのよりは、ゆっくりめでいいのです。まずこのことを、若いお母さんや保母さんにいってあげたいですね。「いろんな発達や成長は、育児書にかいてあるのより、すこしゆっくりめでいいのです、というぐらいの気持ちでどうですか」ということを。
引用:子どもへのまなざし P64
乳幼児期によくあることですが、子どもを連れて人が集まる場所へ行くと、どうしても同じ月齢のよその子と比べたくなりますよね。
わが子はわが子のペースでいい、あせらなくていいんだと思わせてくれた言葉です。
待ってあげる姿勢は、子どもを十分信頼しているという気持ちを伝えることにもなります。このことは子どもへの愛を、子どもに最もわかりやすく伝えることになるのです。
引用:子どもへのまなざし P67
幼児期は、なかなかうまく出来ないことが多くて、親の都合でイライラしたり、急かしてしまうときってありますよね。
親が子供の最大のサポーターであり理解者だと伝えるには、待つことが大切。
見守っているという思いが伝われば、自分に自信をもつ子に育っていくのだとわかり、すぐに手伝ってしまいそうになる私にストップをかけてくれました。
幼い子どもが望むことは、なにをどれだけやってあげても大丈夫だ
引用:子どもへのまなざし P138
過保護はしつけをしそこなってしまう。という考えは誤解だとこの本から学びました。
子どもの望んだ通りに、あれこれ満足させてあげることが過保護。
子どもが望んでもいないことを、やらせすぎることが過剰干渉。
過剰干渉が子供の自立心、自主性をなくすのだとわかり、
「抱っこ」や「一緒に遊ぶ」といった子どもの要求を出来るだけ受け入れるきっかけになりました。
親や周囲が子供の心を満たしてあげれば、いろんな人を信じる力がしっかり身につくのだと。
親の幸せをないがしろにして子供の幸せは、考えられないのです。
引用:子どもへのまなざし P287
育児中は時間に追われて、つい自分のことを後回しにしてしまいがちですよね。
でも日常のささやかな物事に感謝できる幸せ、喜ぶことができる幸せは子どもに伝わっています。
子供って本当に親をよく見ていますから。
自分の幸せも考えていいんだと思い、心が軽くなりました。

「子どもへのまなざし」を読んで感じたこと
私がこの本に出合ったのは妊娠8ヶ月の時です。
世の中にあふれている膨大な情報に振り回されるのが怖かったので、それまで育児書を読んでみようとは一度も思いませんでした。
出産を迎える前から余計な心配をしたり、不安をあおる情報から目をそむけたいと思う一心だったのかもしれません。
出産日が近づいてくると、やっぱり1冊くらいは読もうかなという気になり、探し始めたところ本屋でこの本にであいました。
最初にこの本を読み終えたとき、なんて優しい本なんだ!育児ってたのしめばいいのか!って思いました。
わが子との対面がさらに待ち遠しくなったのを覚えています。
じっさいには楽しいことばかりではありませんが、それでもできるだけ穏やかな気持ちで育児にむきあえていると思っています。
子どもとの今の時間をたいせつに。
今、この瞬間を、子どもが幸せにすごすことができるように。
育児に悩み、迷いはつきものですが、これからもゆったり長い目で子どもを育てていきたいと思っています。
もちろん、私自身の幸せも含めて。
子どもだけでなく親へもあたたかいまなざしを向けているこの本を読んだから、思えることだと思っています。
「子どもへのまなざし」 ぜひ読んでいただきたい本です。